1月 前編 「越前水仙のヒミツ」
急斜面で冬空に向かって力強く咲く、可憐な花「越前水仙」。
私たちにとっては身近な景色ですが、実はヒミツがたくさんあります。
今回は、福井市郷土歴史博物館の藤川明宏さんに解説していただきました。
令和3年3月、越前海岸の福井市下岬地区、越前町上岬地区、
南越前町糠地区の3地域にまたがる「越前海岸の水仙畑」が
福井県内で初の重要文化的景観に選定されました。
花の生産地としては、日本で初めてだそうです。
重要文化的景観「越前海岸の水仙畑」を維持していくためには、
水仙栽培という生業がこれからも続いていかなければなりません。
しかし、生産農家の高齢化や後継者不足。そして広がる獣害など、とても厳しい現状です。
でも、水仙畑で働く農家さんたちは、とてもいきいきと若々しく作業されています。
藤川さん:その活力の源は水仙畑の持つ自然と風土にあって……それも含めて重要文化的景観なのだと思います。
みっちー:水仙畑には「不思議なチカラ」があるんですね。ヒミツのチカラですね。
水仙畑を今後も残していくために、新しい取り組みが始まっています。
これまで気づかれることがなかった、生産農家や地域の魅力を写真におさめ、
物語として発信する「越前水仙カメラ」です。
若い人たちによるグループノカテによる「水仙ブーケ」という挑戦がはじまっています。
越前水仙は、通常、蕾の状態で葉をつけて出荷されますが、
収穫後の畑には咲いてしまった花がたくさんあります。
ノカテは、水仙を花だけで出荷するという、
これまでにない新しい価値を、水仙ばたけにみつけました。
皆さんもぜひ、鮮やかな緑が一面に広がる冬の越前海岸の水仙畑に足を運んで
歩いて、見て、聞くことで水仙の不思議なチカラに触れてみてくださいね。